公益財団法人ニッポンハム食の未来財団

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「2019年度公募型研究助成事業」
研究課題概要

研究課題概要

●共同研究助成(6件)50音順・敬称略

代表研究者氏名 安達 貴弘
所属・役職 東京医科歯科大学 難治疾患研究所 准教授
研究課題名 食物アレルギーにおける免疫記憶の機序解明
研究概要 食物に一旦感作されて免疫記憶が成立し、食物アレルギーを発症するが、その実体はよくわかっていない。その機序が解明できれば、そこを標的として食物抗原特異的に免疫記憶をリセットする根本的な治療法の開発ができるのではないかと考え、本研究では、食物アレルギーにおいて免疫記憶が成立および維持される機序を単細胞レベルの解析で明らかにし、食物抗原特異的に免疫記憶をリセットする根本的な治療法開発を目的とする。
代表研究者氏名 岡田 直貴
所属・役職 大阪大学大学院 薬学研究科 教授
研究課題名 重症食物アレルギーに対する経皮免疫療法の実用化に向けた非臨床・臨床POCデータセットの取得
研究概要 アレルゲン特異的免疫療法 (AIT) は食物アレルギーに対して根本的な治療効果が期待できるが、頻回なアレルゲン投与や長期間の治療期間などから、従来の皮下注射法、舌下法、経口法と比較して患者負担が少なく済み、副作用を抑制しつつより高い治療効果を引き出せる新規AITの開発が望まれている。そこで本研究では、ニーズの高い鶏卵アレルギーに対する安全性と有効性に優れる経皮AITの確立を最終目標とする。
代表研究者氏名 佐藤 里絵
所属・役職 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 上級研究員
研究課題名 ソバアレルゲンの特性改変に効果的な手法の探索
研究概要 ソバはごく微量でアナフィラキシーなど重篤な症状を引き起こすことがあり、特定原材料として表示義務が課されている食品である。ソバアレルゲンは複数同定されているが、詳細な解析は遅れている。本研究では、①ソバアレルゲンと症状との関連性、②調理加工等がソバアレルゲンの消化性に及ぼす影響、③ソバ主要アレルゲンの1つFag e 2における変異が消化性・アレルギー誘発性に及ぼす影響、を解明し、ソバアレルゲン改変を目指す。
代表研究者氏名 水野 雅史
所属・役職 神戸大学大学院 農学研究科 教授
研究課題名 ヒ素摂取量低減を目的としたフコイダンの血中ガレクチン9分泌を促進させる食品成分との食べ合わせによるアレルギー発症予防
研究概要 マコンブ由来多糖であるF-フコイダンは、血中にIgE高親和性レクチンであるガレクチン9(Gal9)分泌を促進することでアレルギー抑制効果を発揮することを明らかにしてきた。しかしながら、F-フコイダン画分中にはヒ素が含まれており、健康の面からは問題がある。本研究では、フコイダンと同時に摂取することで血中Gal9分泌促進を促し、アレルギー予防が期待できるポリフェノールカクテルの構築を目的とした。
代表研究者氏名 村田 幸久
所属・役職 東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用動物科学専攻 准教授
研究課題名 食物アレルギー診断技術の開発
研究概要 申請者は国立成育医療研究センターの協力の下、尿に排泄されるPGDMという物質が食物アレルギーの病態マーカーとして有用であることを発見してきた。しかし、この測定には高価な機器を使用する必要があり、手間と費用が掛かる。また、この尿中濃度が、症状の程度と比例しないケース(偽陰性)もあった。本提案ではこの技術の実用化を目指し、尿中PGDMの高速・安価な測定方法の確立と、偽陰性になる機構を解明する。
代表研究者氏名 森田 栄伸
所属・役職 島根大学 医学部 皮膚科学講座 教授
研究課題名 ω-5グリアジン欠損食用小麦の開発:ω-5グリアジン感作型小麦アレルギーの根絶に向けて
研究概要 ω-5グリアジン遺伝子欠損1BS-18小麦系統は、アレルギーモデルモルモットにおいて、経口摂取による小麦アレルギーの感作が成立しにくい。本年度は、アレルギーモデルラットを用いて1BS-18の低感作性、低アレルゲン性を詳細に評価するとともに、小麦アレルギー患者を対象として1BS-18パンによる減感作療法を試みる。当該小麦の実用的な食品加工の試みと、栽培および加工に適したω-5グリアジン欠損小麦新品種の育成を試みる。

●個人研究助成(16件)50音順・敬称略

氏名 飯嶋 益巳
所属・役職 東京農業大学 応用生物科学部 食品安全健康学科 准教授
研究課題名 HACCP 導入に向けた抗体精密整列化技術による食物アレルゲンの超高感度検出法の開発
研究概要 本研究では、申請者らが開発したIgG精密整列固定化用足場分子(ZZ-BNC)を用いて、その特性を最大限に活用させる新規のイムノアッセイ法を確立し、極微量の食物アレルゲンをワンステップで超高感度に、安価に検出可能な技術を開発することで、食物アレルギーを中心とした食品分野の研究、さらに生命科学領域研究の発展に貢献していきたいと考える。
氏名 臼井 健二
所属・役職 甲南大学 フロンティアサイエンス学部 准教授
研究課題名 工場内におけるアレルギー感作評価が可能なペプチドビーズを用いた簡易検査法の開発
研究概要 食の安全が重要視される現在、工場内の機器、容器、添加物、材料などにおけるアレルギー発症・悪化リスクの防止は、重大な課題となる。また、倫理的観点、コスト、簡便さなどから動物実験や臨床試験に頼らない感作性試験法が求められている。そこで本研究では、従来からの代替試験法の一つであるDPRA法の諸課題を解決するために、分光技術とペプチド工学を融合させた様々な物質やバルクの簡便な感作性試験法の構築を目指す。
氏名 大嶋 直樹
所属・役職 国立病院機構 浜田医療センター 消化器内科 医長
研究課題名 血清microRNAを用いた好酸球性食道炎の新規バイオマーカーの確立
研究概要 好酸球性食道炎は遅延型食物アレルギーの一つであり、近年患者数は急速に増加傾向であるが、診断、治療に関しては未だ確立されていない部分が多い。我々は先行研究において食道粘膜局所におけるmicroRNAに着目し、治療前後における変動miRNAはバイオマーカーの候補となることを見出した。本研究では血清miRNAを用いて非侵襲的バイオマーカーを確立し、将来的な臨床応用を目指していく。
氏名 大田 昌樹
所属・役職 東北大学大学院 工学研究科附属超臨界溶媒工学研究センター 助教
研究課題名 食物アレルゲン対応食品製造のための新しい高圧噴霧技術の開発
研究概要 食物アレルギー対応食品への消費者のニーズは高く,これに応えるべくアレルゲン低減化食品,ひいてはアレルゲン除去食品の開発に期待が高まっている.このようなニーズに応えるべく合目的な方法論の開拓を目指し,本申請では,高圧流体を用いた噴霧技術によるせん断力を応用した新しい工学的アプローチを採用し,主に液体試料の低アレルゲン化ないしアレルゲン除去に挑戦する。
氏名 川本 善之
所属・役職 中部大学 准教授
研究課題名 水溶解メラニンによるアナフィラキシー応答制御と作用機序の解明
研究概要 申請者は合成メラニンの溶解法と水溶性のメラニン合成法を独自に開発し、これがマスト細胞の脱顆粒反応を強力に抑制することを初めて見出した。実験動物モデルにおいて、水溶解メラニンの経口投与により、アナフィラキシー応答が有意に抑制される知見を得ている。本研究は、1.溶解性メラニンによる食物アレルギー応答の重症化軽減およびアレルゲン感作予防の効果 および、2.そのメカニズムの解明に取り組む。
氏名 小島 令嗣
所属・役職 山梨大学大学院 総合研究部医学域 社会医学講座 助教
研究課題名 家塵中の鶏卵抗原と鶏卵アレルギー発症の関連の解明
研究概要 家塵中鶏卵抗原が鶏卵アレルギー発症と関連しているかを明らかにすることを目的とする。山梨県のエコチル調査の6歳時詳細調査に参加する児(約200名)を対象とし、屋内の清掃頻度や鶏卵摂取頻度に関する質問票調査を実施する。さらに家塵中の鶏卵抗原をELISA法で測定し、家塵中の鶏卵抗原量の予測式を作成する。予測式により乳幼児期の家塵中の鶏卵抗原量を予測し、それが鶏卵アレルギーの発症と関連しているかを検証する。
氏名 澤 新一郎
所属・役職 九州大学 生体防御医学研究所 システム免疫学統合研究センター 粘膜防御学分野 教授
研究課題名 3型自然リンパ球を利用した新規食物アレルギー予防法の開発
研究概要 近年、腸管には抗原受容体を持たない自然リンパ球が存在し、腸管免疫の一翼を担うことが明らかになってきました。特に、3型自然リンパ球(ILC3)はサイトカインGM-CSFを発現し、制御性T細胞分化に重要な働きを持つことが明らかになっています。本研究では、独自開発したILC3特異的欠損マウスやGM-CSF欠損マウスを用い、食物アレルギー発症予防におけるILC3の働きを解明するとともに、ILC3機能制御に注目した新たな食物アレルギー予防法の開発を目指します。
氏名 清水 裕
所属・役職 北海道大学大学院 水産科学研究院 技術専門職員
研究課題名 メイラード反応が甲殻類アレルゲンの消化・吸収性へ及ぼす影響の解明
研究概要 メイラード反応は食品加工において頻繁に起こるタンパク質と糖の縮合反応である。申請者は、同反応が甲殻類トロポミオシン(TM)のアレルゲン性に関わる諸性質に与える影響について調査し、同反応がTMの酵素消化に伴うIgE結合能の低下を抑制する事を見いだした。そこで本研究では、TMのマウスへの経口投与と消化管内での挙動および血液移行量の調査を行い、同反応がTMの消化・吸収性に与える影響の解明を目指す。
氏名 田中 守
所属・役職 中部大学 応用生物学部 食品栄養科学科 講師
研究課題名 食物アレルギーに対するカンナデンプンの予防効果
研究概要 申請者はこれまでに、カンナデンプンがマウスの消化管においてムチンやIgAを増加させること、盲腸中の乳酸や酪酸、酢酸など短鎖脂肪酸の産生を増加させ、大腸の制御性T細胞の誘導を促すことを明らかにしてきた。これらの結果は、Ⅰ型アレルギーの予防・改善に有効であると期待される。本研究は、Ⅰ型アレルギーモデルマウスを用いて、食物アレルギーに対するカンナデンプンの予防効果を明らかにすることを目的とする。
氏名 津曲 俊太郎
所属・役職 神奈川県立こども医療センター アレルギー科 医長
研究課題名 花粉-食物アレルギー症候群に対するシラカバ花粉免疫療法の有効性と安全性の検証
研究概要 カバノキ花粉などによる花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)のために、果物摂取に伴う口腔アレルギー症候群の発症が増加している。花粉感作に対する免疫療法でPFASの改善も期待できると理論的には考えられるが、まだ標準治療としては確立しておらず長期予後も明確でない。我々は先行研究でシラカバ花粉皮下免疫療法の有効性を報告したが、本研究ではその長期的な予後因子を探索し、舌下免疫療法の有効性及び安全性についても検討する。
氏名 永井 宏幸
所属・役職 岐阜県保健環境研究所 専門研究員
研究課題名 LC-MS/MSを用いた特定原材料のアレルゲンおよび品種判別同時分析法に関する研究
研究概要 食物アレルギーの診断では蕎麦や卵といった原材料だけでなく、実際の抗原抗体反応を引き起こすタンパク質コンポーネントまで特定することの重要性が高まっている。そこで、本研究では質量分析を用いて、食物アレルゲンコンポーネントの網羅的分析法の開発を行う。本手法は安定同位体標識標準を活用することで定量性を有し、食品検査の精度向上だけでなく、食物アレルギー発症原因抗原の特定など臨床分野でも活用が期待できる。
氏名 永倉 顕一
所属・役職 国立病院機構相模原病院 小児科 医師
研究課題名 重症鶏卵アレルギー児に対する経口免疫療法ランダム化比較試験:炒り卵 VS 加熱卵粉末
研究概要 近年、鶏卵アレルギー児に対する経口免疫療法が報告されているが、脱感作状態へ到達後に耐性獲得できる症例が少ない点や重篤な副反応を呈するなどの問題がある。本研究では、「加熱鶏卵粉末を用いた経口免疫療法で脱感作へ導入しその後に炒り卵へ変更すると、より安全かつ効率的に耐性獲得へ誘導できる」との仮説を立てた。自然経過での耐性獲得が困難な重症鶏卵アレルギー児への適切な治療法を明らかにする。
氏名 中島 陽一
所属・役職 藤田医科大学医学部小児科 講師
研究課題名 低アレルゲン化食品を用いた魚アレルギーに対する新規治療法の開発
研究概要 食物アレルギーの治療である経口免疫療法を安全に行うため、世界に先がけ独自の酵素処理で低アレルゲン化した魚肉粉末を開発した。魚アレルギー患者7名に使用し安全で有効な結果を得た。これを用いた多施設共同ランダム化プラセボ比較試験を行い、安全性と有効性を証明することを目的とする。我々の治療法は、副反応の危険を感じながら経口免疫療法を行っている食物アレルギー患者にとって、負担の少ない画期的な方法である。
氏名 中野 泰至
所属・役職 千葉大学医学部附属病院 小児科 助教
研究課題名 乳児期のビタミンD投与によるアレルギー予防に関する研究開発
研究概要 国内外の疫学調査から母体・小児のビタミンD(VD)欠乏の頻度が多く、VD低値が食物アレルゲン感作及び食物アレルギー発症に深く関与する可能性が示されている。そこで本研究では出生早期から乳児にVDを経口的に摂取してもらい、VDが感作・アレルギーを予防できるかを検証することを目的として、VDシロップ及びプラセボを用いた無作為ランダム化比較試験を行う。
氏名 水島 秀成
所属・役職 北海道大学大学院 理学研究院生物科学部門 助教
研究課題名 鶏卵アレルゲン除去卵の作出
研究概要 CRISPR/CasシステムやTALENを代表する人工制限酵素の登場により、鳥類ゲノム改変技術の加速化に拍車がかかっている。本研究では、1細胞期受精卵にCRISPR/Cas9システムを導入するという鳥類では新規となるゲノム編集個体作出技術を確立するとともに、鶏卵中でアレルゲン性の高い成分であるオボムコイド、オボアルブミン、オボトランスフェリン遺伝子をノックアウトした雌ウズラを作出する計画である。
氏名 森田 英明
所属・役職 国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー・感染研究部 室長
研究課題名 重症消化管アレルギーの病態解明
研究概要 近年、本邦において新生児・乳児消化管アレルギー(以下、消化管アレルギー)の症例報告が急激に増加している。消化管アレルギーは IgE抗体を介さない機序(非IgE依存型アレルギー)で引き起こされていると想定されているが、その病態の詳細はほとんど明らかになっていない。本研究では、消化管組織のマイクロアレイ解析および末梢血中の炎症細胞の解析を通じて、消化管アレルギーの病態解明を試みる。

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