食物アレルギー発症のメカニズムと診断

発症のメカニズム

図:食物アレルギーの発症のメカニズム

食物アレルギーの発症のメカニズム

多くの食物アレルギーはアレルゲンに対して作られたIgE抗体が働いて起こります。食物のように、体に必要でこそあれ無害なタンパク質に対しては、消化管や免疫の何段階もの防御の仕組みが働いて、無用なIgE抗体を作らないように調節されていますが、こうした仕組みが体質的に弱かったり、未熟だったりすると、IgE抗体が作られてしまい、食物アレルギーが発症すると考えられます。
食物アレルギーは、食べ物を食べた時だけでなく、触ったり、吸い込んだり、注射液などによって原因食物(アレルゲン)が体内に入ることでも起こります。

原因食物の診断

診断の手順

  • ステップ1:問診
    問診は原因食物を診断するために最も大切な過程です。症状を起こした半日前からの食べたもの、触った食品などを記録して具体的に詳しく話しましょう。
    「食物日誌」を利用して、日ごろの食事内容を記録することも役に立ちます。
    じんま疹などアレルギー症状が出たら食べた加工食品などの食品表示ラベルを保管しておきます。
  • ステップ2:検査
    問診で浮かび上がった疑わしい食物についてはアレルギー検査を行います。
    IgE抗体を証明する方法として、血液検査、皮膚試験があります。
  • ステップ3:食物経口負荷試験
    問診やアレルギー検査でも診断がつかない場合は、疑わしい食物を一品ずつ少しずつ実際に食べてみてアレルギー症状が出るか調べます。
    この検査は、アナフィラキシーのようなアレルギー症状が出るおそれがあるので、医療機関で医師や看護師がみているところで行います。
図:診断手順

食物経口負荷試験

除去していた食物を食べてみて、症状が現れないか、どのくらい食べると症状が現れるかをみる試験です。

食物経口負荷試験は食べられるようになったかどうかを最も正確に診断できる検査です。
小児アレルギーの多くの場合、成長にともなって耐性を獲得する(原因食物を食べられるようになる)ことができます。

3歳までに約50%、小学校に入学する頃までに約80%~90%のお子さんが耐性を獲得すると言われています。早く食物除去が解除されて食べられるようになれば、食生活の幅は広がり負担は軽減されます。

食物アレルギーの経過観察

図:食物アレルギーの経過観察

お問い合わせ

当財団事業やウエブサイトで提供している情報に関するお問い合わせはこちらから